2013年04月11日
SRV
SRVとの出会い
私の妻は大阪生まれで、はやいものでいっしょになってから、38年が過ぎようとしている。彼女といっしょにいてよく思うのは、女の直観は男よりするどい、ということだろう。あれは、私たちがカナダのヴィクトリアという町に住んでいた1996年のことだった。
「この本読んだらどうですか?」

と、一冊の本を妻から勧められた。その本はのちに「コズミック・ヴォエージ:SRV・科学的遠隔透視による宇宙「謎の大探査」という邦名で出版されることになったが、そのときは、その英語版を私は妻から手渡された。パラパラと目を通したが、くだらないとそのときは感じたのを覚えている。しかし、それでも、とにかくちゃんと読むようにと彼女がいうので、一日でいっきにその本を私は読み終えた。
SRVのSは、Scientific(科学的)のことで、Rは、Remote (遠隔)、Vは、Viewing(透視)で、全部統合させると、科学的遠隔透視という意味になる。遠く離れた場所の物体やイベントを観る方法である。むろん、これは肉眼で観るのではなく、別の知覚を通して観察する方法であり、よく「第六感」ということばでそれは表される。
「コズミック・ヴォエージ:SRV・科学的遠隔透視による宇宙「謎の大探査」という本は、タイトルからしてちょっとくだらないという第一印象を私は受けたが、読んでいると地球外生命体のこととか、火星の人工基地とかいったことにずいぶん力を入れているのがわかった。著者が元CIA関係であるということからしても、でっち上げの「トンデモ本」と読みながら私は判断した。が、一応、ネットで調べてみることにした。すると、Farsight Remote Viewing Institute というサイトが見つかった。
その本の著者であることはすぐにわかった。元アメリカ、アトランタ大学の教授をしていたコートニー・ブラウン博士が、直接教えるリモートヴューイングのコースについて記載されていた。さしあたり、遠隔透視法というものに興味は湧いてきたが、あいにくその年(1997年度)のコースはすでにすべて埋まっていた。自分が試してみるチャンスはまずゼロだった。しかし、「キャンセル待ちにしたら?」と妻はコースを受けろと、さかんに勧めた。なぜそこまで勧めるのか、わけがわからなかった。
そのコースの受講料もけして安くはなかった。3,000米ドルで、おまけにアトランタまでの飛行機代とホテル代がいるとなれば、かなりかさばる。それも私が気が進まないひとつの理由だった。
一応、申し込んでおいたが、期待していなかった。しかし、私は翌年の2月1日にとうとう、あの有名な放送局CNNの本社があるアメリカ、ジョージア州最大の都市アトランタにむけて出発することになった。正直いうと、私はまだ抵抗があったので、途中でなんどか引き返そうかと思った。「だまされたんじゃないか」という不安な気持ちもあった。
結果的にいうと妻の直感が当たっていて、理由がはっきりしないにもかかわらずそのコースを受けたことによって、その後の自分がずいぶん影響されることになった。あのときから17年がたって振り返ってみると、その透視訓練に投資したお金は、たしかに何百倍にもなって戻ってきた、そしてなによりも私が遠隔透視を教える教師となったということなのである。自分の仕事が大きく変わった。
あのときアトランタで、コートニー・ブラウン氏から直接学んだ6日間を振り返ってみると、かなりハードだったと記憶している。毎日クラスが終わると、私はホテルの一室にこもりったきりで寝ていた。学ぶ内容があまりにもすごすぎて、ほかになにをするエネルギーも残っていなかった。
長崎原爆投下イベントにテレポートする
紙とペンのみを用いてトレーニングは開始した。日本語で「定式」とよぶのは、英語では、(あの映画と同じ)マトリックス (Matrix)という。マトリックスの中に、つまり、決められたフォーマットにしたがってセッションはスタートする。そして私も含めて参加者全員が一生懸命練習を続ける最中にあることが起きた。
「このターゲットは・・・」
と、まず講師がいいながら、茶色の大きな封筒を皆の前で見せた。その瞬間、我々受講生は、ワクワク、ハラハラ、ドキドキ、少し興奮ぎみだった。
私のクラスには、17名の受講生がいて、警察官もいれば、主婦や画家もいた。元NASAの宇宙戦闘機(スペースプラットホーム)の開発者という、すごい人物もいて、さまざまな人たちが集まっていた。学校の教師もいた。ユニークな人たちばかりがそろった、といえばそのとおりだった。そこで唯一アメリカ人でないのは、スコットランド人の私ひとりだけだった。
コース開始から4日目を迎えたとき、封筒に入ったターゲットが皆の前に掲げられ、前に置かれた。少なくとも「RVセッション」の流れを少しだけみんな把握した時期だった。
机の上には、A4サイズのコピー紙の束と黒ペンが置かれていた。そのターゲットが入った封筒を握っているのは、「モニター」で、回答を書く我々は、「ヴュアー」と呼ばれた。モニターは、封筒を掲げながら、
「ターゲット番号、2568,3391です!」
Posted by エハン at
18:35
│リモート・ヴューイング