2014年10月08日

Esalen

今日から精神世界の幻の場所へ参ります!エサレンです。以下はその研究所についての概要です:

エサレン研究所の歴史とヒューマン・ポテンシャル運動

エサレン研究所の歴史は、1960年代のカリフォルニアで、スタンフォード大学時代に友人であった、リチャード・プライスとマイケル・マーフィーが出会ったことから始まると言えるでしょう。当時のアメリカは、ジョン.F.ケネディ大統領のもと、新しいエネルギー、新しい理想にむけて躍動していた時代でした。キング牧師の公民権運動を広がり、ベトナム反戦運動もこのころでした。

 カリフォルニアでは、従来の西洋文化の枠組みを超え、東洋思想に影響を受けた新しいムーブメントが起こっていました。二人は、そんな時代の潮流のさなかに、出会ったのです。 そのころ、イギリス人の作家オルダス・ハックスレーがカリフォルニアの各地の大学で、あるテーマで講演をおこなっていました。それは、「人間は、脳の全ニューロンの10パーセントを使っている人もほとんどいない。正しい方法で始めるのなら、人間はもっともっと、その可能性を広げることができる」という「人間の潜在的可能性」についての講演でした。 それを聴いて感銘をうけたリチャード・プライスは、マイケル・ マーフィーと共に、人間の潜在的可能性開発運動(ヒューマン・ポテンシャル運動)をおこすためのコミュ二ティ・センターを設立することを志しました。

そして、1962年、 マーフィーの家族の所有地であった、カリフォルニアのビッグサーの温泉地に、滞在型のセンターを立ち上げ、かつてその地に暮らしていたネイティブ・アメリカンの部族の名前をとって「エサレン研究所」と名づけました。

ビッグサーの地は、太平洋を臨む、波の音の響く、温泉の湧き出る、自然の豊かな風光明媚な土地で、以前から多くの目覚めたパイオニア達が移り住むところでした。以来、心とからだ、スピリットを総合的に探求するセンターとして、エサレン研究所は、全米でも広く信頼を集め、多くの哲学者や文学者、心理療法家、身体技法研究家、アーティストがここに集い、交流し、様々な実験的な試みを展開しました。 心理学分野では、ゲシュタルト心理療法の創始者、フリッ ツ・パールズ、人間性心理学とトランスパーソナル心理学の創始者である、アブラハム・マズロー、プロセス指向心理学のアーノルド・ミンデル、また、グレゴリー・ベイトソンやカール・ロ ジャースがここに訪れ滞在しました。ボディワーク、ソマティックス(身体学)分野では、ロルフ式身体統合法(ロルフィング)の アイダ・ロルフが、そして、センサリー・アウエアネスのシャーロット・セルバーがいました。

 その後、フェルデンクライス・メソッドの モーシェ・フェルデンクライス、トレガー・アプローチのミルトン・トレガー博士がここに訪れて、ワークショップを展開しました。 また、60年代の西海岸では、東洋的な心身一如の身体観が、ヨガや瞑想、気功や太極拳、禅や合気道などの普及を通じて広まったこともエサレン研究所の重要な歴史だといえるでしょう。アラン・ワッツ(禅)やジョージ・レナード(合気道)もエサレン研究所によく訪れ、滞在し、互いに意見交換をしました。

 こころと身体を別々のものとして考える、西洋医学の心身二元論に対して、心身一如を前提とする東洋的な身体観は、エサレン研究所での基本的思想として定着し、西海岸で広まったホリスティック医学の源流のひとつとなったのです。 現在でも年間を通じて、常時、複数のワークショップが、このエサレン研究所でおこなわれています。その種類は多様で、ヨガや太極拳などの東洋的な身体アプローチや、ソマティックス・ボディワーク、トランスパーソナル心理学、コミュニケーション、シャーマニズム、アート、音楽、ダンス、エコロジーなど、様々な分野に広がります。

設立以来ずっと、そこに訪れる大勢の人々が、太平洋岸沿いに位置する美しいビッグサーの地に足を運び、ワークショップのクラスで、食堂で、温泉で、セッションルームで、語らい、そして、交流を重ねてきました。 エサレン(R)ボディワークは、このエサレン研究所の土地と歴史に育まれながら、様々なメソッドを学んだボディワーカー達が、注意深く実践を重ねながら、全身のオイルトリートメントとしてまとめあげてきたものです。

エサレン研究所の目指す、ヒューマンポテンシャル運動は、エサレン(R)ボディワークの原点だといえるでしょう。人間性心理学/トランスパーソナル心理学の祖であるアブラハム・マズローの「人間は、生まれながらに全体的で統合された存在である」という言葉にもあるように、 エサレン(R)ボディワークは、人間の全体性をテーマとし、固定観念によって抑圧され、疎外されてきたヒューマンポテンシャル(人間の潜在的可能性)の目覚めを通じて、自己治癒、自然治癒力を開発し、より豊かな在り方へと導き、本来の自分を取り戻すことを目的とするものだといえます。
その方法論として、人間の五感に最大限に働きかけること、body&mind&spiritの統合、そして、ホリスティック(全体的)な観点と、「今、ここ」(presence)であることなどが、とても重要です。このようにして、「ゆっくりと、呼吸とともに、今ここの気づきをもって、あるがままを受け入れ、全体をつなげる」という、エサレンRボディワーク独特のスタイルと哲学が、育成されていきました。                  

 (文責 エサレン(R)ボディワーク認定プラクティショナー  中川れーこ)

参考文献 「エスリンとアメリカの覚醒 - 人間の可能性への挑戦 」 <W.T アンダーソン著、伊藤博訳、(誠信書房) Esalen and American Awakening  >

米国カリフォルニア州、エサレン研究所(Esalen Institute) 公式ホームページ  http://www.esalen.org/  


Posted by エハン at 10:11コミュニケーション