2007年10月09日
高山病と身近なテスト
大切なものを貸してくれた女性
7回目のペルーの旅だった2005年のこと。十数人の日本人と共にマチュピチュへの道
であるインカ・トレールを歩みだしたばかりだった。これから四日間の厳しいハイクで4200
メータまで上る・・
リーダーとして一番気になることは皆さんの健康状態だ。高山病はいつやってくるかは
まったく分からないからだ。年齢、性別問うわず、突然の熱、脱力、目まいなどの症状が出る。
4回目のたびで一番若い参加者はクスコで倒れた。かなり無理やりにしてインカ・トレールに
出てきた後ですっかり元気になった。僕自身はなったことはない、いや、なれないだろう。僕が
倒れたらグループ全体に影響をしてしまうので「予防医学」だろうね。
その日にまた僕のテストがあった。僕は倒れないけど僕のワイフなら許される・・
そうなったときに怒りの突然の出現だった。
「これだけの人の中で、今まだ何回来てもどうもないのに、これだけの参加者の見守ること
で、精一杯にしないといけないのにどういうことじゃこれは!!」
自分のワークショップ中に必ずテストが来る。自分のためのワークショップみたいにね・・
よく頑張るソニアだけれど無理は無理だった。
選択:彼女を街まで戻ってもらうためにがたがたのバス道で数時間に乗って行くか・・
なんとか今日中に元気になるまでに歩く援助をするか・・
突然の閃き!馬を見つければいいのだ!上の写真の女性は貧しい生活をして、
本当に汚い小屋のような場所で思う存分に水やコカコラを通過する人間に売る仕事
をしていた。そして2頭の馬を飼ったことが分かった。
その時に日本人のすごい優しさに圧倒された。体がふらふらになったソニアが一人ぼち
で皆の後ろでがりがりの馬に乗せらることは決して楽しくない・・と思ってくれた一人の
参加者がいた。
「私も乗るわ!」と云って、もう一頭の馬を借りてソニアの傍にずっといてくれたのだ。
あの道なら歩いたほうが絶対に楽ですよ皆さん。あのがりがりの気が短い馬は乗りに
くいだけではなく、あの馬は乗っていた人間を背中から下の谷に落とそうとすることも
何回もあった。
なのに「楽しいね」と・・60歳近くの日本の「普通の叔母さん」が文句を一つも言わずに、
一日中ソニアの面倒を見てくれたのだ。
これこそが日本人の言う「真心」ではないか?
Posted by エハン at 10:36
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