2009年06月28日
Rumi

ルーミー
胎児のように
そこに閉じこもって
生まれるのを怖がっている きみ
こっちに出ておいで
その暗闇から出ておいで
母親のお腹の子だって 生まれるときがくるんだよ
やがて
自分で乳をのみ 離乳食をたべ
知識をもとめ
目に見えない獲物を狩るようにもなるんだよ
もし胎盤のなかの子と話すことができたら
誰だってこう言ってあげたくなるだろう
あのね
こっちの世界はもっともっと広くて とっても複雑で
それはそれは魅力的なところなんだ
大地には小麦畑が広がっていて その先にもずっと山並みが続いている
果樹園には花々が溢れていて 夜になると満天に星々が輝くんだ
太陽のもとでは 仲間たちが結婚式を祝っているんだ
それでもきみは
暗闇に閉じこもっているつもりなのかい
さ こっちに出ておいで 生まれておいでよ
だが 闇のなかから
胎児は取り澄ました声で答えるだろう
お言葉ですが この世にもっと素敵な別世界があるなんて信じませんね
私にとってはここが全てですね
あなたこそ幻でも見ているのじゃありませんか?
Rumi poems interpreted by Michiko Jujo and Sanzo Arakami
映学(映画)アースピルグリムに幾つかのルーミーの詩が登場する中、上記は最後の詩