2008年01月21日
大徳寺と空腹時

大徳寺に辿り着くと、日本料理の店があった。精進料理の店だね。裏口に回ると、コックさんが
要らない野菜とか玄米を捨ててるのが見えた。僕は菜食主義者だから、野菜には目がない。
これはチャンスだ。ボディランゲージしかない。腹減ってるんだーと伝えた。コックさんはめちゃめ
ちゃ驚いていたね。腹減っている白人なんか、ありえないということでしょ。パニックになって、慌て
て店の中に入ってしまった。
「しまった・・驚かせてしまった」
失敗した、それにしても腹減った・・と思ったら、5分後、そのコックさんが弁当10個持って
出てきたのだ。
「これ、よかったら、どうぞ食べてください」
涙が出るほど感激したね。もう、この国はなんて国なの・・この親切、この優しさ。今までの旅には
なかった大感激だった。
それから一ヶ月、食べ物のことでは苦労した。大阪のイングリッシュハウスで英会話の仕事を見つけたから、
多少金はあったけれど、菜食主義を徹底してたから、食べられるのは百円の立ち食いそばか安い
お好み焼きだった。それもベーコンやエビ抜きの100パーセントキャベツだけのやつだった。
当時、喫茶店のコーヒーが二百五十円くらいだったと思う。わずかな金をポケットに入れて、日本
で初めて喫茶店にも入った。コーヒーを注文したら、なぜか卵焼きとトーストも一緒に出てきた。
僕は慌てて言った。
「お金ない。これいらないです。注文してない」
「いや、大丈夫です。モーニングですから」
(本来のmorning service は、教会の日曜礼拝の事)
モーニング? 何それ? 聞いたことも見たこともない世界初の制度ですよ。これはありえない・・
僕は超とまどったが、店員さんがOKというから食べましたよ、モーニングサービス。ホント、宇宙的
に見て、不思議なシステムですよ、これは。
でも、お遍路的に考えてみれば、旅と修行でガリガリに痩せた白人青年が、日本という国に「お接待」されたということだと思う。お遍路さんも、お茶や果物を振舞われて助けられるでしょ。
このお接待という習慣と、僕が初めての日本で体験したことは、どこか深いところでつながっている
ような気がするのだ。
Posted by エハン at 10:40
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