2007年10月02日

民族多様性の絶滅



Dr. Wade Davis

ハーバード大学卒のウエード・デービス博士は民族植物学者、
人類学者としてナショナル・ジオのトップ探検家の一人として注目されている。カナダ
で彼の講演に参加したのは90年代だった。アヤワスカの世界、アマゾンの多様性について非常に
うまく説明してくれた。あれからは全世界に旅をしながら様々な部族と生活をしながら研究
を行っているさすがの人類学者だと確信した。ただの学者ではない。

一日セミナーで彼の立派な講演を見せながら、日本語で解説をした主な内容は
民族の絶滅であるETHNOCIDE (民族殺) の進行についてだった。人を殺す
意味と云うより人の考え、言葉、習慣などを吸収して彼らの生活ぶりを殺すことだ。

つまりもともと6000言語が溢れたこの地球では今その半分は我々の時代に絶滅する見込みだ。
言葉=言霊 (もちろん日本だけではない)言霊=魂=意識=スピリット=現実だと思うがいか
がでしょうか?

素晴らしい研究をしているデービス博士の努力の中心はConservation (保護)活動だ。
これだけ世界に違う世界があるとのことで、それはことばが異なる、文化が違うレベルの話し
ではなく、「違う現実」だ。

もしあなたは実際に異次元の徹底的な体験を一回でもすれば、たとえば
シピボ族
のようにアヤワスカを飲んでスピッリトの世界で学んで、
癒されて、驚かされていたとすれば、この地球に関する考え方はまったく違うリアリテイに
シフトせざるをえない。

そういうことが出来る人間、する人々は世界各国にいたが現在は非常に少なくなった。
その理由はあきらかにフォースの働きを持つ「グローバル・スタンダード」の進展だ。

デービス博士の活動を応援しているが、残念ながら民族文化の生きた多様性の時代
が終わった。つまりどう頑張っても毎日のように民族の人々は外の人間に会うことによって
「消費者病」にかかり、すぐさまに汚染されてしまう傾向はアメリカン・インデイアンからますます
酷くなった。しかし決してそれは完全に無意味ではない。

ノアの箱舟の神話で「すべての動物の対を箱舟に乗せた」のように、我々現代人の「意識」
に多様性に富んだカルチャのイメージ、エネルギー、そして知恵に接することによって
イベント・ホライゾン後の新しい多次元的な、シンクロニシテイ文明のヒントを得ることが
出来るであろう。次の文明はもっと多様性に豊かな文明になるからだ。それはDNAの宿命・・

ようするに資源豊かな、空間だらけの、多様性に豊かな民族だらけの地球に戻ること
は「どうやってできるか」を考えると、どうも無理ではないかと僕は感ずる。

それはサナギのカルチャに戻ろうとする夢に過ぎないことだ。殻が割れだして、少し蝶の羽が
見えて来た今の我々には、そういう選択は本当にあるのでしょうか?あるとすれば民族の検疫が
必要ではないか?今、たとえばゴリラを保護するために特集的な環境を作らないと絶滅することは
間違えない時代で、どうもシピボ族のような素晴らしい人間の生活習慣や多次元文化は
保護できないであろう。

だから時間があるかぎりデービス博士のように彼らから学んで、一緒に生活してみて、
お互いの「知恵」を交換することでそれをDNAレベルにインプットされれば、次のもっと
多様性に富んだ独立個人同士のスーパ・カルチャに応用することは考えられるのではないか
と想像したいのだ。

There is no return to the past..  


Posted by エハン at 11:40コミュニケーション